特定非営利活動法人の1つ、国境なき技師団をご存知でしょうか。「国境なき医師団」についてはご存知の方も多いことでしょう。国境なき技師団は、土木学会及び建築学会等の学協会会員の賛同と支援を受け、NPOとして設立されています。では、そんな国境なき技師団について詳しく紹介していきましょう。
国境なき技師団とは
国境なき技師団は、多くの被害をもたらした東日本大震災の復興支援をはじめ、自然災害による被災地域の復旧と復興に向けた支援を行っています。また、自然災害低減化技術の普及や防災教育、国際的な防災研究の推進も積極的に行っているのが特徴です。
具体的な活動内容としては、自然災害によって被害を受けた住宅や建物・橋・港湾施設・河川堤防など、社会基盤施設の診断や継続使用の判断、被災建造物の修復方法の提案などを行っています。また、こうした自然災害による被害を極力低減化するため、多くの建物や産業施設、ライフラインとなる施設の健全度や補強方法の提案にも力を入れています。
防災教育や国際的な防災研究などにおいても、自然災害への対策や防災意識の向上を促していると言えるでしょう。
自然災害への意識と取り組みの大切さ
ここ数年、国内外問わず地震や暴風雨、河川の氾濫や土砂災害などの被害が多発しています。その度に、多くの人々の命や大切な財産が一瞬にして奪われてしまっています。こうした中で、国境なき技師団は技術者の立場から支援するということを目的に活動しているのです。土木学会、日本建築学会、公的機関、産業界など、幅広い参加と支援を受けながらほかのNPOやNGO組織と連携し、世界の自然災害軽減に向けて貢献していこうと取り組んでいます。
また、こうした取り組みの中でも、直接活動できる組織やボランティアの力も借りており、様々な専門分野の技術者の参加も常に募集しています。新たに会員の1人となって活躍している方も少なくありません。実際に自然災害における被災地派遣要員の確保や、財政的な基盤を確立するためにも、多くの方の支援や協力が必須なのです。
国境なき技師団の概要や活動について紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。自然災害は、予見することも難しい場合があり、避けることができないケースも多々あります。災害に巻き込まれた場合、人命に関わる支援が最も優先されますが、居住環境の確保についても必要不可欠な支援と言えます。そんな中で、国境なき技師団は技術者としての立場から、被災者への支援・活動を行っているのです。